
2021年に出版された、亡くなった母の思い出と韓国文化とのつながりを、”食”を通じて探ったノンフィクション・エッセイ『Hマートで泣きながら(Crying in H Mart)』は、『ニューヨーク・タイムズ』を始めとした各種メディアで、その年のベストブックに選ばれた。同年リリースされた、ジャパニーズ・ブレックファスト(Japanese Breakfast)の3rdアルバム『Jubilee』は喪失の先にある再生や希望をテーマにした作品で、批評家からも高い評価を受けた転換作だった。音楽家、作家、バンドのフロントパーソンとして走り続けてきた、ミシェル・ザウナーは自身の成功を噛み締めつつも、ひとときの休息を求めていた。