連載:アナログ時代のクルマたち|Vol.45 OSCA 1600 Zagato

エンジニアであり、有能なレーシングドライバーでもあったアルフィエーリ・マセラティが、自身のワークショップ、ソシエタ・アノニマ・オフィチーネ・アルフィエーリ・マセラティを開設したのは、1914年のこと。第1次大戦前はスパークプラグの製造で生計を立てたこの会社は、やがてアルフィエーリの主導の元、マセラティの名を冠したレーシングカーを作り、その名声はイタリア全土に知れ渡ることになる。1932年、その卓越した才能を持ったアルフィエーリは事故による傷が原因で、合併症を引き起こし他界する。残された3人の兄弟たちによって、会社の経営は続くが、1937年、彼らは会社の株式をアドルフォ・オルシに売却し、兄弟は10年契約で引き続きマセラティのエンジニアとして会社に残留した。そして、その契約が明けた後、彼らはマセラティを離れ、モデナに移転したマセラティに取って代わり、彼らの誕生の地でもあるボローニャに戻り、OSCAを設立するのである。

自動車 バイク