日本のレース史における創世期において、もっとも大きな影響を与えた車がポルシェであることに異論はないと思う。第2回日本グランプリにおいて、スカイラインGTと死闘を演じたマシンがポルシェ904。このマシンのデザインをかなり忠実にコピーして誕生したのが当時のプリンスR380だった。もっとも真似をしたのカウルデザインだけ。中身については全くの別物であった。その後1966年にはポルシェ906、通称カレラ6が登場すると、そのマシンと死闘を演じたのはニッサンR380で、この車のカウルデザインもかなりポルシェに似通っていた。真似をしたというよりもポルシェに影響を受けたという方が正しい。