「GT」の存在意義とは?|オーセンティックにして甘やかなマセラティ・グランカブリオに試乗

その昔、スポーツカーとGTの区別とは、対候性のある屋根、長距離行でも快適性を担保するインテリア、必要最低限の荷室の有無、でしかなかった。自動車メーカーが仕立てたエンジン&シャシーに、注文主の意を受けてカロッツェリアやコーチビルダーがボディと内装を設えていたような時代だ。ゆえにランニングコンポーネント、つまり走りに直に関わるメカニズムの基本仕様は、スポーツカーとレーシングカーが同列だった時代、GTもさほど遠からぬものだった。むしろ高性能で耐久性に富んでこそ長距離を一気通貫に走れる車、そんな捉え方だったのだ。

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