マンガ家が作品を発表するのに、経験豊富なマンガ編集者の存在は重要だ。しかし誰にでも“初めて”がある。ヒット作を輩出してきた優秀な編集者も、成功だけではない経験を経ているはず。名作を生み出す売れっ子編集者が、最初にどんな連載作品を手がけたのか──いわば「担当デビュー作」について当時を振り返りながら語ってもらい、マンガ家と編集者の関係や、編集者が作品に及ぼす影響などに迫る連載シリーズ。第3回で登場してもらったのは、マンガ、アニメ制作・芸能マネジメントなどを手がける株式会社ミキサーのマンガ編集室で編集長を務める豊田夢太郎氏。いがらしみきお「I」やスエカネクミコ「放課後のカリスマ」、五十嵐大介「SARU」など、かつて月刊IKKI(小学館)の名物連載を数多く担当した人物だ。マンガ編集者は、出版社で新卒から長年キャリアを積み上げることが多い一方で、豊田氏はフリーランス的な動き方をするマンガ編集者として存在感を放っている。