フルラインターボを旗印に、軽自動車から上級車まで次々とターボエンジンを投入した三菱。先頭に立ってターボ軍団を率いたのがスタリオンで、イメージリーダーの役を見事に果たし、ランサーターボなどとともに一定の人気を集め、1980年代を代表する一台となった。しかし、スタリオンはあくまでも騎士。激動の80年代を乗り越えるためには、強力な騎士だけでなく、メーカーを象徴する王の存在が必要だった。当時、フラッグシップたる王の座には初代デボネアが座っていたが、22年ものモデルライフを送っていた老体。三菱は新たな王の誕生を模索していた。とはいえ、新たなフラッグシップの開発となるとシャシーやエンジンまで含めて大幅な刷新が必須で、莫大な開発費を投じなければならない。いくらフルラインターボ攻勢により一定の成功を収めていたとはいえ、そこまでの余裕は当時の三菱にはなかった。